受任できない件について
法律的に、受任が制限される場合があります。例示しますと、以下のようになります。
- 争いが想定される法律案件
- 契約などにおいて、他者と交渉すること
- 他士業の独占業務
- 双方代理になってしまう可能性のある案件
- 違法な依頼内容。依頼主が反社会団体関係者である案件など。
1は弁護士にしか受任できない業務です。弁護士法は、当事者間での争いが想定される場合(“事件性がある”と言います)について、弁護士以外の法律業務を一律に禁止しています。また2も同様の制限で、代理人として他者と交渉することは、行政書士には許されていません。
3は、例えば会計・税務や登記などが該当します。多くの士業にはそれぞれ独占業務があり、これらは税理士や司法書士にしかできない仕事なのです。そのため、会社設立全般はサポートできても、この部分はご自分で進めていただく必要があります。
4は、民法上の制限です。利益相反する両当事者を同時に代理することは、双方が共同で依頼していない限り、禁止されています。例えば会社側の代理として作成した契約書を、クリエイター側の代理としてリーガルチェック……なんてことは、許されない訳です(双方の合意があれば可能です)。
5については、言うまでもないことですね。行政書士は、法秩序を守る使命を持っています。
また、当方の処理能力を超える案件については、その旨を回答した上で委任を再考していだく場合があります。行政書士には一応「受任義務」というものがあるのですが、費用と時間から言って不合理な場合まで受任してしまうのは、むしろ無責任だと思う次第です。
