先日、行政書士会支部の研修旅行というのが行われ、初参加してきました。1泊2日の行程で、観光バスで見所を回りながら若狭まで足を伸ばし、温泉に浸かってから大宴会場でふぐ料理に舌鼓……とまあ、「どこが研修やねん!」と突っ込み入れられそうな2日間でした。はっきり言って昭和スタイルの社員旅行ですね。
実際のところ、会社でももうこの種の社員旅行はやっていないのではないでしょうか。昭和の社長は「税金にとられるくらいなら、こうして社員還元した方がましだッ!」という経営判断の下でせっせと会社掛かりの旅行を企画していました。でも、そもそも利益が出ていなければ圧縮もないわけで、平成の社長の選択肢にはなりにくかったのです。そして現代。「別に所得税上がってもいいですから、旅行するぐらいならその分給料上げてください」という社員も増えました(推定)。
ぼく自身は平成になってから会社になったのですが、在籍していた5年間で、社員旅行は1回だけ。そして最近まで務めていた学校法人では、職員旅行というもの自体、一度もありませんでした(さらに言うと、社会人生活をスタートした場所は役所だったため、やはり本式の社員旅行とは無縁でした)。
で、今回の研修旅行。「昭和スタイル」なんて言い切ったものの、やはり現代的ではあります。酒を無理強いすることもなければ、「若輩はお酌して回る!」などの不文律もなく、料理と酒と会話を楽しめる、楽しい旅行でした。
とはいうものの、やはり研修旅行ではあると思うのです。行政書士は個人事業がふつうで、上司や先輩がいません。また弁護士における「イソ弁(居候弁護士の略)」のような見習いスタッフとして勤務できる機会も少なく、登録即開業がふつうです。会社員の場合、職場の空気を吸うことで会社が持つさまざまな暗黙知を一緒に吸い込むこともできるのですが、そういうのが全く期待できないのです。である以上、独立事業主としては、こういう機会を通じて得られる“上司・先輩みたいな人”から得られる情報が、ことの他重要です。たとえ単に宴会だけやってたとしても、十分研修に値する内容と言えるでしょう。
実は仕事の都合があって最後まで参加できず、2日目の朝に単独で戻りました。来年はフルに参加できたらいいと思っています。