アマゾンに「Audible」という商品があります。本をプロが朗読した音源=オーディオブックです。こういうものにはもともと懐疑派だったのですが、試しに使ってみるとかなり便利で、現在ではすっかり生活の中に組み込まれています。
何がそんなに良かったのか…まず、「けっこう聴ける」ということ。プロの朗読というのは、それ自体耳に心地良いものなのです。脳が右の方から活性化してくる感じがします。次に、デッドタイムの解消に役立つということ。クルマに乗っているときや歩いているときなど、他の何かをすることは困難です。でも、Audibleを使えば、それを読書時間にできるのです。
そしていちばん重要なのが、「無理やり読める」ということでしょう。本というのは自分で読まない限り一歩も進まないという徹底したプル情報なのですが、オーディオブックは始めてしまえば後は勝手に進んでいくプッシュ情報です、気力にムラがあってもちゃんと読み進めることができます。人生、何事かをなすためには、“身勝手なパートナー”の存在が欠かせないものですね。
問題は、読みたい本が必ずしもあるとは限らないこと。あたりまえの話ですが、出版社が製品化してくれない限り、聴くことはできません。
法律の勉強にも、ものさえあれば役立つと思います。例えば定番的な法律書ですと、芦部憲法が既に存在しています。でも、これも憲法という「意識高い市民」が対象読者になる分野だからこそなのでしょう。同じ東大教授の本だからといって、内田民法の刊行を期待するのは難しそうです。
最近まじめに考えているのが、「自分で朗読」という選択肢。これを作る過程でじっくり通読できるし、その後は繰り返し聴けますね。もちろん勝手に公開するわけにはいかないのですが、あくまでも私的利用ですから。ただ、まずは朗読技術を身に着けないと。
というわけで、元アナウンサーや声優が指導する朗読スクールなんかを、最近では半分真面目に調べ始めているのです。
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