最近になってそういう思いをしました。「プロボノ」という言葉です。日本大百科事典(ジャパンナレッジ経由)での説明を引用すると、こうなります。
職務上の専門的な知識や経験、技能を、社会貢献のために
無償もしくはわずかな報酬で提供するボランティア活動。
行政書士の看板を掲げる中、市民活動などに参加できないものかと思うようになりました。行政書士は専門職ですから、「プロ」としての自覚なくしては、業務の受任はありえません。「プロ=お金をもらって仕事をする人」という定義があるわけですが、報酬は責任ある仕事をする上での条件なのです(『タダでいいから仕事させて!』なんて言ってくる人は、どんな分野であっても、いちばん信用してはいけない人です)。とはいえ、ビジネスとしてバリバリやっていきたいのかというとそういうわけでもなく、生活をまもりつつ無理ない範囲で社会貢献…というのは、悪くない選択です。ただ、問題はこれをどう呼ぶか。無償で参加するといっても「ボランティア」という言葉では、微妙なニュアンスが埋没してしまうわけですし、「顧問」というのも違う。そもそも想定されているのは、現場で汗をかく仕事ですから。
そんな中、プロボノという言葉で、自分のやりたいことをスパッと言い表せることを知ったのです。いやあ、こんな言葉がいつの間にかできてたなんて…と思ったものの、ATOKでもGoogle日本語変換でも一発で出てきましたから、ぼくが知らなかっただけで、以前から使われていたようですね。先述の日本大百科全書によると、「ラテン語のpro bono publico(公益のために)の略」ということです。となると、この「プロ」部分は、プロ・アマのプロとは関係なさそうです。
ところで、プロフィールのところにも書いているように、GAIRAこと中部ゲーム産学協議会の運営委員をしています。前身だった組織の発足時から関わっているため、かれこれ10年近くにもなります。
肩書が、これまでは教員として所属していた学校の名前だったのですが、この4月からは行政書士に変わりました。実際には単に肩書が変わっただけなんですが、外部の人が新しい役員名簿を見たら、たぶん「この団体、法律系の専門職が入っている!」って思ってしまうでしょう。
期せずして、プロボノデビューとなったわけですね。