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レンタルに始まり、コワーキングに至る(2)

 そんなわけで、レンタルオフィスから始まったぼくの開業ですが、ここは既に引き払っています。別に内容に不満があったわけではなく、ある程度続けた段階で自分の利用形態をよくよく考えてみて「必要ない」と判断したのです。
 その頃は他に本業を持っていて、利用は基本アフター5でした。ただ、仕事の後に出かけていくには地の利が悪くて(オフィスは都心の一等地にあるのですが、ぼくの勤務先のほうが外縁地域だったのです)、実のところ、郵便物受け取る以外の用途には、ほとんど使えませんでした。行政書士としての渉外仕事は、電話とメールで済んでいたのです。

 ただ、「こんなのいらないや!」と処分したあとで必要性が出てくるというのは、片付け類のお決まりパターン。昨年度いっぱいで正職員を辞めたのですが、元勤務校の授業(これは基本午前中)の他にも、けっこう都心部での仕事があるのです。郊外にある自宅オフィスにいちいち戻るわけにもいかなくて、こうなると都心部にある作業拠点の意義がとても大きくなってきます。
 そこでこの6月からは、コワーキングスペースを仕事の拠点にしています。拠点といっても私物を置いているわけではなく、ノマドワークを前提にした「かついで歩ける」範囲での仕事の拠点です。

 前の記事に書いたような事情から、正式に事務所として登録することはできません。しかし、「この時間はここにいるぜ!」がはっきりしていれば、オフィス同様に仕事になります。今、基本的に週4回ペースで、午後2時ごろから最長4時間は滞留している感じです。アポとって貰えればそれに合わせられますし、いきなり訪問されてもある程度対応できるわけですから、十分に業務の拠点となりうるわけです。
 もちろん、行政書士の伝統的なスタイルも否定しているわけではありません。物理的拠点を存在が与える安心感というのは、その人が顧客になってくれるかどうかだけでなく、仲間として共に仕事をしていく他のプロ(他士業や銀行・保険など)にとっても重要な要素でしょう。実は今、信託の業務を始めていくための準備をしているのですが、本格的に始めるためにはむしろマストであると感じています。
 というわけで、当面模索していく、ノマドとはまた違ったワーキングスタイル。例えて言うなら、キッチンカーでしょうか。いずれは“店舗営業”となる予定ですが、当面はこんな感じで進めていきたいと思っています。

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