公益社団法人著作権情報センター(CRIC)という団体があります。当事務所は著作権業務をメインに掲げる行政書士事務所なので、やはり無関係のままでいてはいけないと思い、先日、入会を済ませました。
「先日? あんた開業3年めだろ、これまで何してたんだよ!」
なんて言われそうですね。実は、入会をためらっていたのには、わけがあるのです。それは……会費。入会金が2万円、年会費が5万円と、結構な額なのです。
その割には、会員になって得られるものはあまりありません。会員が集まっての総会とか懇親会とかがあるわけでなく、会員専用の交流サイトとかもなく、理事その他役員を選ぶための選挙に参加できるわけでもない。一応「会員特典」と称するものはあるのですが、CRIC主催の講座だの発行書籍だのが割引になる程度。これにしたって“2万円の講座を1万6千円にしてあげるよ”というレベルで、しかも開催地はほとんどが東京ですから、現実的なメリットとは言えません。なお、オンライン参加もできますが、料金は同じ。自宅で2時間程度の動画を視聴するだけでこの価格ということで、情報商材もかくあらんというレベルのプライスです。
なのに、なぜ会員になったのかというと、実は会誌です。毎月発行されるCRICの会誌「コピライト」は、学者の書く文章の中で頻繁に引用されているのです。同様に引用されることの多い「判例時報」「判例タイムズ」なら図書館に行けば見られますが、「コピライト」は会員限定の非売品。これを読むための、私に選択可能だった唯一の方法が、会員になることでした。実際、手にとってみると、思った以上にレベルの高いものでした。的を射た特集記事に加え、その時々のトピックスや判決が簡潔に紹介されていて、著作権界の月ごとのトレンドを一覧できるのですね。とはいうものの、1号あたり4千円強ということで、100ページに満たない中綴じ冊子としては、うなってしまう水準なのですが。
このように、費用面でのボヤキが止まらないのですが、どうやらこれは私が「ふさわしくない」会員であるからと思われます。主催セミナーの内容を見ていると、CRICが前提にしているのは、明らかに弁護士なのです。英国のパブは、同じビールでも労働者とミドル層で違う値段をつけているのだとか。これと同じですね。ちなみに、行政書士会からは年2回3万6千円の会費納付書が届きますが、これは弁護士会の月会費に満たない額です。
さて、晴れて会員になった以上、できることが一つあります。プロフィールに書くということです。「所属団体 公益社団法人著作権情報センター」なんて書くと、なんだか箔が付いたみたいな感じですね。そう考えると、これはいわば広告費だよな……なんて思いつつも、メンバーとして汗をかいたことがあるわけではない身としては不適切なようにも思え、どうしようかためらっているのです。
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