実は今、行政書士として、業務の範囲を広げていくことを考えています。
家族信託という制度があります。今年になってからその実際を知り、深く感銘を受けました。一言で言えば「老後と没後への思いを形にできるもの」で、遺言ではできないさまざまなことを可能にしてくれるスキームです。遺言には条件をつけることができず、例えば「まずは妻に、妻の死後は次男に」というような代をまたいでの相続はできません。でも、家族信託を使えば可能なのです。また、成年後見の代わりに設定することもできますし、「私が元気なうちは自分で会社を率いるが、認知症になったら長男に経営権を任せたい」というように、事業継承に応用することも可能です。
行政書士には「争いがある案件は受任できない」という決まりがあるのですが、これを逆に言えば「円満解決専業」となりますね。そこで、相続・遺言や家族信託といった民事法務を、もう一つの主軸の仕事として位置づけたいと考えているのです。これには、士業としての社会的使命という視点もあります。ノマドワークに近いスタイルでやっている私であれば、弁護士・司法書士では対応できない非資産家からの依頼も受任しやすく、より幅広い人にサービスを提供できるからです。
法律だけを考えると、相続というのは「まず遺言、それがなければ法定相続」ということで、実にシンプルなしくみです。しかし、実際に相談をする人が求めているのは特定の制度ではなくて、総合的な最適解。相続税負担を下げ、また争族も避けて、残された人なりペットなりの幸せを実現することを望まれています。一方、前提となる財産状況や家族状況は、人によってまちまちです。保険を利用したり 家族信託を使ったりと、そこにはさまざまな選択肢があるでしょう。そうなると、行政書士としても“引き出し”をたくさんもっている必要があります。また、他士業とのパートナーシップも不可欠ですから、その仕事も細かく理解していないといけません。
ということで、今はまだ「勉強するぜッ!」って宣言なのですが、近日中に「仕事するぜッ!」にしていきたいと思っています。どうかよろしく。
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